なぜ支出コントロールが重要なのか?
「毎月、何にいくら使っているか正確に把握していますか?」
多くの方が「なんとなく」把握している程度かもしれません。
しかし、それでは無駄な支出を見つけることは困難です。
支出をコントロールすることは、単に節約・倹約することだけではありません。
自分のお金の使い方を意識し、無駄をなくし、本当に必要なものにお金を使うことこそが、賢いお金の使い方と言えるでしょう。
この記事では、支出をコントロールするための具体的なステップを、初心者の方にも分かりやすく解説します。
さらに、支出管理によって得られる効果についても詳しく解説。
この記事を読めば、今日からあなたも支出管理を始め、賢くお金を使えるようになるはずです。
資産形成の計算式
他記事で記載していますが大事なのでここでもおさらいです。資産形成の計算式を見てみましょう。
この計算式を是非頭に入れておいてください。
収入ー 支出 ー 貯蓄=「資産形成原資」
資産形成は、「収入を増やす」、「支出を減らす」、「貯蓄を確保する」、この3つのバランスが重要でしたよね。収入から支出と貯蓄を引いた残りが、あなたの資産形成のための原資となります。
この資産形成原資を投資や不動産などへ回すことで、資産を効率的に増やしていくことができます。
この記事では主に「支出のコントロール」に着目して記載しています。
収入と貯蓄はこちらを参考にしてみてください。
※収入→収入を増やして豊かな未来を!資産形成の第一歩を踏み出そう
※貯蓄→貯蓄だけではだめ?成功する資産形成術
支出コントロールがもたらすメリット
支出をコントロールすることは、単なる節約術にとどまらず、私たちの人生に多大な恩恵をもたらします。
貯蓄額・資産形成余力の増加
無駄な出費を抑え、お金の流れを把握することで、自然と手元に残るお金が増え、貯蓄目標の達成が容易になります。
これは、将来の夢や目標、例えばマイホームの購入、子供の教育資金の準備、あるいは老後の生活資金の確保などに向けた確かな一歩となります。
精神的な安定につながる
お金の流れが不透明だと、「いつの間にかお金がなくなっていた」という経験をするかもしれません。
これは不安やストレスの原因となりますが、日々の支出を管理することで、お金の流れを明確に把握し、将来に対する漠然とした不安を軽減することができます。
お金の管理がしっかりとできているという安心感は、日々の生活に落ち着きと心の余裕をもたらします。
本当に価値のあるものにお金を使うことができるようになる
無駄な出費を削減することで、その分のお金を自分の成長や経験、例えば旅行や趣味、自己啓発などに投資することができます。
お金の使い方にメリハリをつけることで、人生の満足度を高め、より豊かな人生を送ることができるのです。
長期的な視点で見ると、支出コントロールは資産形成の基盤となります。
貯蓄が増えれば、そのお金の一部を投資に回すことが可能になります。
投資によって資産を増やすことで、将来の経済的な自由を獲得し、より多くの選択肢を持つことができるようになります。
つまり、支出コントロールは、単に今をやりくりするだけでなく、将来の可能性を広げるための重要な手段と言えます。
このように、支出コントロールは貯蓄の増加だけでなく、精神的な安定、人生の質の向上、そして将来の資産形成にまでつながる、非常に重要な行為です。
日々の生活の中で意識的に支出を管理することで、より良い未来を築くことができます。
現状把握:自分の支出を「見える化」する
支出の内訳を把握する
具体的には、支出を「固定費」と「変動費」に大きく分類することから始めます。
固定費とは、毎月ほぼ一定額で発生する支出のことで、例えば家賃や住宅ローン、保険料、通信費などが該当します。これらは契約内容を見直すことで削減できる可能性があります。
一方、変動費は月によって金額が変動する支出で、食費、交際費、娯楽費、交通費などが含まれます。
変動費は日々の意識や工夫でコントロールしやすい部分です。
まずは毎月支出している項目を書き出してみましょう。
その際には、上記の通り、支出を費目別に分類することが重要です。
食費、住居費、光熱費、通信費、交際費、娯楽費など、自分のライフスタイルに合わせて適切な費目を設定することで、支出の傾向をより詳しく分析できるようになります。
例えば、「食費」の中でも「外食費」と「自炊費」を分けることで、外食が多いことが支出増加の原因だと気づくかもしれません。
一般的な家庭における支出一覧を書き出しますので是非参考にしてみてください。
こうやって洗い出してみるとほんとお金を失う機会ってホント多いですね。
固定費(毎月ほぼ一定の支出)
- 住居費:家賃、駐車場代、住宅ローン返済
- 水道光熱費:水道、電気、ガス(※使用量によって変動する部分は変動費として扱う場合もあります)
- 通信費:携帯電話料金、インターネット回線料金、固定電話料金
- 保険料:生命保険料、医療保険料、火災保険料、自動車保険料、学資保険料、ペット保険
- 教育費:保育園・幼稚園費用、学校授業料、習い事月謝、塾代
- ローン返済:自動車ローン、教育ローン、奨学金返済
- サブスクリプションサービス:動画配信サービス、音楽配信サービス、オンラインゲーム、その他月額制サービス
- その他:新聞購読料、定期購入品(月額制のもの)
変動費(月によって変動する支出)
- 食費:食料品購入、外食、飲料
- 日用品費:洗剤、ティッシュペーパー、トイレットペーパー、その他生活雑貨
- 被服費:衣類購入、クリーニング代
- 交際費:友人との食事、飲み会、プレゼント代、冠婚葬祭費
- 娯楽費:映画鑑賞、旅行、趣味に関する費用
- 交通費:電車・バス代、ガソリン代、タクシー代
- 医療費:病院受診料、薬代
- 美容費:化粧品、美容院代
- その他:書籍購入、ペット関連費用、雑費、特別費(臨時的な大きな支出:家電購入、家具購入、引越し費用など)
支出の内訳把握は、単に過去の記録を見るだけでなく、未来の家計をより良くするための重要なステップです。
家計簿アプリやエクセルを使った管理方法
支出の内訳を把握する方法としては、家計簿アプリやエクセル、手書きの家計簿など、様々なツールを活用できます。
家計簿アプリであれば、銀行口座やクレジットカードと連携することで自動的に記録してくれるものもあり、手間を大幅に削減できます。
エクセルやスプレッドシートを使えば、自分で自由にカスタマイズして分析することができます。
手書きの家計簿は、手軽に始められる点がメリットです。
ちなみに私はクレジットカードをほぼ1つに集約しているので、クレジットカード明細を見ることで支出項目を金額を把握しています(あまり手間をかけなくないタイプです)。
自分に合った方法で、まずは支出を記録することから始めましょう。
支出の見直し:無駄をなくす!無理はしない!
固定費の見直し
固定費について見直しのポイントを見ていきましょう。
・住居費:家賃交渉をしたり、より家賃の安い物件への引っ越しを検討したりすることが考えられます。
・水道光熱費:こまめな節電・節水、冷暖房の使用を控える、省エネ家電への買い替え、電力会社やガス会社の料金プランを見直すことで基本料金を抑えられる可能性があります。
・通信費:携帯電話のキャリアを見直したり、格安SIMへの乗り換えを検討したりすることで大幅な節約につながることがあります。
・保険料:保障内容と保険料のバランスを見直し、不要な保障を削ったり、より保険料の安い保険会社に変更したりすることを検討します。
・教育費:習い事や塾などを本当に必要かどうか見直すことで、削減できる可能性があります。
・ローン返済:金利の低いローンへの借り換えを検討することで、返済総額を減らせる場合があります。
・サブスクリプションサービス:利用頻度の低いサービスを解約することで、無駄な支出を抑えることができます。
固定費の見直しは、単に節約するだけでなく、生活の質を維持しながら無駄を省くことが重要です。
例えば、必要のない保険を解約するのは良いことですが、必要な保障まで削ってしまうと、万が一の際に困ることになります。
そのため、各項目の内容をよく理解し、自分にとって何が重要なのかを考えながら見直しを行うようにしましょう。
固定費の見直しは、一度行えばその後も継続的に効果を発揮するため、家計改善において非常に有効な手段です。
ぜひこの機会に、ご自身の固定費を見直してみましょう。
変動費の見直し
同様に、変動費について見直しのポイントを見ていきましょう。
・食費:自炊を増やす、まとめ買いをする、旬の食材を取り入れる、食材を無駄にしないように使い切る、外食の頻度を減らす、お弁当を持参するなどが有効です。
・日用品費:セールや特売を利用する、詰め替え用を購入する、本当に必要なものだけを買うように心がけることで、無駄な出費を抑えられます。
・被服費は、セールを利用する、手持ちの服をコーディネートして着回す、フリマアプリなどを活用して不要な服を売る、などが考えられます。
・交際費は、無駄な付き合いを減らす、お金のかからないレジャーを楽しむ、などの工夫で節約できます。
・娯楽費は、無料または低価格の娯楽を見つける、趣味にかけるお金に上限を決める、などを意識することで、無駄遣いを防ぐことができます。
・交通費は、公共交通機関を利用する、自転車や徒歩での移動を増やす、マイカーの利用を控える、回数券や定期券を活用するなどが有効です。
変動費を見直す上で重要なのは、無理なく継続できる方法を見つけることです。
急に生活スタイルを大きく変えようとすると、ストレスが溜まり、長続きしません。
まずは小さなことから始め、徐々に改善していくことをおすすめします。
例えば、毎日ペットボトルのお茶を買っていたのを、水筒にお茶を入れて持ち歩くようにするだけでも、月々の出費を抑える効果があります。
また、変動費は日々の意識でコントロールできる部分が大きいとはいえ、過度な節約は生活の質を低下させてしまう可能性があります。
大切なのは、無駄な出費を減らし、本当に必要なもの、自分の価値観に合ったものにお金を使うことです。
メリハリのある支出を心がけることで、生活の満足度を維持しながら、効率的に貯蓄を増やすことができるでしょう。
無理はしすぎない
改めてですが、支出削減は家計管理において重要ですが、無理をしすぎると生活の質が低下し、かえってストレスを溜めてしまうことがあります。
大切なのは、無理なく続けられる範囲で、長期的な視点を持って取り組むことです。
支出削減を継続するためのコツは、無理な目標を立てないこと、完璧を求めないこと、そして、時々自分にご褒美を与えることです。
例えば、「毎月〇万円貯金する」という目標を立てるのではなく、「まずは毎月〇千円から」というように、無理のない範囲で始めることが大切です。
また、毎日完璧に節約しようとするのではなく、たまには外食を楽しんだり、好きなものを買ったりする時間も作りましょう。
また、支出削減効果をきちんと認識しながら実施しましょうね。
例えば、スーパーのチラシをみて、AスーパーよりBスーパーのほうが卵が50円安かったとしても、その移動に1時間かかった場合、その節約は有効でしょうか。もしかしたらその1時間を収入を増やす方に活用した方が有効かもしれませんよね。
さらに、交通費を削減するために、タクシー等は使わず電車やバスを使うのも1案ですが、人によっては、タクシーで移動時間を大幅に短縮して、その時間で収入を増やす方が有効かもしれません。
支出削減のポイントは以下となります。
・断捨離する(利用頻度の低いサブスクなど)
・同一サービスであれば安価なものを使う(スマホのキャリアを格安SIMへ)
・過去からの慣習を断つ(親から保険の大事さを伝えられ、年収に見合わない過剰な保険料を支払っている)
・費用対効果を意識する(削減よりも収入を増やすことに時間をかける考え方もあります)
最後にもう一度、資産形成の計算式を記載いたします。
きちんとこの構造を理解して、一つ一つチャレンジしていきましょうね。
収入ー 支出 ー 貯蓄=「資産形成原資」
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